訪問者数

　教育業界で働いていく中で、私には教育業界への失望と子供たちへの憂いの気持ちが積もっていきました。私が勤務していたところも含め、ほとんどの学習塾で行われている指導が、学校のフォローや受験といった目先の問題点を解決するためだけの｢詰め込み｣や｢その場しのぎ｣だったからです。

​

　実際、中学受験・高校受験でも同じく、本当の学力がなくても｢詰め込み｣で合格させることは可能です。しかし、そのようにして学校に受かろうとすることに私はあまり応援はできません。｢詰め込み｣で自分の力に合わない学校に入学しても、その後、子供は授業についていけず、順調に伸びることができないでしょう。｢詰め込み｣教育では、詰め込み中にきちんと成長できないだけでなく、受験後においても成長を期待できなくしてしまうのです。

私が個別指導塾の教室長として配属された一年目から二年目にかけての話ですが、小学生の時からの通塾生で数学の得点が一番いい生徒が数学を武器としながら志望校に合格しました。しかし、高校の勉強で数学が一番出来なくなってしまっていました。本人曰く、考え方が分からなくなったとのことです。ただ、問題演習を繰り返し、型を覚えただけで受かってしまったので、対応が出来なくなってしまったのです。

​

　｢詰め込み｣は、子供のためではなく、効率よく成績を上げ、合格実績が欲しい塾のためだけの指導方法です。