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勉強方法を変えませんか?

 「分からないから覚えてしまおう」という丸暗記、つまり「詰め込み法」をやめませんか。

 「詰め込み法」は、時間をかけて本質を理解しなくても問題が解けるようになるので、得点アップにはとても効率がよい手法です。また、子供も短時間で結果が出せるので、これが正しい勉強法だと思ってしまいます。しかし、この「詰め込み法」には大きな問題(欠点)があります。

 例えば、高校受験を考えて中学2年生から詰め込み法をし始めた場合と、特にそのような奇計を用いず正攻法で学習を行っていった場合とで、その後の学力がどうなっているのかを見比べてみましょう。

 このグラフを見ると、詰め込み法をし始めたときには成績がぐんっと上がっています。まさに短期間に結果を出すにはもってこいの手法と言えるでしょう。しかし、その後の成長が芳しくありません。理由は、詰め込み法ではその後の学習を積み上げていけないからです。

 本来、学習は「なぜだろう」という疑問から始まり、思考し、理解し、知識とするといった流れで行われます。これは1サイクルで終わりません。獲得した知識を用いて、さらに思考し、理解し、より高度な知識を獲得していくといった循環が起こるのです。これが学習の積み上げです。ところが「詰め込み法」は本質の理解を伴わない手法なので、この学習の積み上げに支障をきたしてしまうわけなのです。

 また、グラフを見ると、詰め込み法は高校生になってもそのまま伸び悩んでいます。高校課程は中学課程の続きであり、ゼロからのスタートではありません。ですので、詰め込み法によって中学の学習内容を理解しないまま高校受験を乗り切ってしまうと、その後の高校における学習で苦労することになる。それに加えて、詰め込み法自体が高校の学習では通用しない手法だということも大きな原因となっています。

 

 小学1年生から始まり小学校・中学校・高校・大学とこつこつ積み上げていく学習は一つながりのものです。それはまるで壮絶なマラソンのようなもので、受験合格はゴールではなく単なる通過点なのです。試験が近くなれば詰め込み法も必要不可欠でしょう。ですが、通過タイムをあまりに気にしすぎて、詰め込み法を普段の学習に取り入れて積極的に行っていくことは賛成しがたいものがあります。あせらず腰を落ち着けてじっくり学習していくことが最終的には成功に繋がるのです。

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